子どもがパワハラを受けた時に、どう対応するか?

生きていると、誰しもが様々な困難に直面します。
それは学校に通っている間だけではなく、就労後も続きます。

そんな時には、どう乗り越えていったら良いのでしょうか。
「子どもが職場でパワハラを受けた」という例で見ていきましょう。

 

周りに助けを求めよう

先日、知人からこのような相談を受けました。
就職したばかりの娘が勤務先でパワハラを受けていて、
精神的なダメージを負い、食事が喉を通らなくなってしまったというのです。

毎日のように続く上司からの暴言におびえ、すっかりやせ細って、
しまいには通勤できなくなってしまいました。

お嬢さんは、「仕事を辞めることは簡単だけど、辞めたいと思う私は
甘えているのではないか。」と自分を責め、ふさぎ込んでしまいました。

親に心配をかけまいと、パワハラを受けていることを半年以上もの間、
誰にも打ち明けることなく通勤していたのです。

ある日、上司Aさんの暴言に堪えかねたお嬢さんが反論すると、
10倍くらいの罵詈雑言が返ってきました。
他の従業員にそのことを報告をすると、
「Aさんはそう人だから我慢しなさい」と諭されたそうです。

娘の異変に母親が気が付き、聞いてみたところ、
ようやく重い口を開いてくれたのです。
けれども、母親はショックで参ってしまいました。

我が子にトラブルが降りかかると、必要以上に感情移入したり、
冷静さを失ったりしてしまう親もいます。
大切な我が子のことですので、無理もありません。

しかし、親がパニックに陥ってしまっては、
子供はもっと不安になります。

このような場合には、身内だけで話し合うのではなく、
信頼できる周りの知人・友人や識者に相談するようにしましょう。
恥ずかしいことでもなんでもありません。
家族でらちが明かない時には、家族以外の人に助けを求めましょう。

 

泣き寝入りはせず、行政を使う

このようなブラック企業に、無理に勤務し続ける必要はありません。
ただ、泣き寝入りをして早々に退職してしまうことは避けましょう。

会社から理不尽な扱いを受けた場合には、毅然と改善を要求しましょう。

まずは法テラスや労働基準監督署に相談し、
解決に向けて行動を起こします。

https://www.houterasu.or.jp/service/roudou/index.html

お子さん一人で対応が難しい場合には、
親御さんが手助けをしてあげると良いですね。

2020年6月1日から、職場におけるハラスメント防止対策が強化されました。
(中小事業主は2022年4月1日から。)
パワハラ防止措置が事業主の義務となったのです。

https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000635337.pdf

お嬢さんが何も行動しないまま退職する、という選択肢もあるでしょう。
しかし、黙って勤務先を去るということに、
企業側と当事者側であるお嬢さん双方にとって、
メリットはあるのでしょうか。

企業は「パワハラを行ってはならないこと」、
「社内にパワハラ相談窓口を設置すること」などが義務化されました。
似たような問題が二度と起こらないように、そして従業員が
安心して就労できるように徹底して改善し、パワハラ予防に
取り組まなければならないのです。

これは法律以前のことですが、解決できない、あるいは
解決しようとしない会社に未来はあるのでしょうか。

生きている限り、困難に見舞われない人などいません。
お嬢さんが対応力や解決する力を身に付けるためには、
その困難に対峙していくことが重要なのです。
一人で解決することが難しい、今回のパワハラ問題などの場合には、
すみやかに家族、知人や行政に支援を求めます。

もちろん、中には対峙する必要はなく、
早々に退散した方がいいケースもあります。
それを見極める力も、社会生活を送りながら養っていくのです。

まとめ

我が子が困難に直面した時。
あるいは理不尽な扱いを受けた時。

「さあ、この難局をどう乗り越えようか?」
あるいは「ちっきしょー!」と気持ちを奮い立たすことができる子に育てたい、
と常々思ってきました。

極端に「強い人間」になる必要はないのです。
しかし、何か問題が起きた時にすぐにポキっと
枯れ枝のように折れてしまう心では、今後の長い人生を考えると
ちょっぴり心もとないです。

「立ちはだかった困難にどう対処するのか」を学ぶ良い機会だと、
前向きに捉えて欲しいのです。

若い方に、こう言いたい。
「何回転んでも良いんだよ。起き上がっておいで。
そしてその時には、雑草でもなんでも良いから、
何かを掴んで起き上がるんだよ。」

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