終活の話は親といつ、どんなタイミングでするのが良いの?

 

いつ話そうか...。
必要と分かっていながらも、なかなか親に対して切り出せない終活の話。

親と終活の話をするのは、お墓参りのタイミングが良いかもしれません。

できればそこに、おいしい食事も付けたいですね。
やはり食事には人の心をほぐし、和ませる効果があります。

毎日、自宅で炊事をしているとなると、たまの外食は誰にとっても新鮮で嬉しいものですよね。

親と終活の話をするのは、お墓参りの時が良い

普段からあまりお墓参りには行きたがらない母ですが、「お墓参りの後に美味しいものを食べようよ」と誘うと、しぶしぶながらも承諾。

コロナ禍で母のステイホームも長引き、ちょっと気晴らしに外出してみたかったのでしょう。

寺に到着して花を供え、墓周りの掃き掃除をしている時です。
母がポツリと「子供の頃に牛乳が飲みたかったのに、十分なお金をもらえなかった」とつぶやいたのです。

それは、母が高校生時代の話です。

昼時になると、母が通う高校にパン屋さんがパン販売にやってきます。
生徒たちは好きなパンと飲み物を買って食べるのですが、母が親から昼食代としてもらっていたお金は、パンを2個買うと使い切ってしまう金額で、飲み物までは買えなかったそうです。

母が育った家庭は決して貧しくはなかったのですが、祖母が締まり屋だったため、いつも少ない昼食代しかもらえなかったのです。

周りの友人たちがおいしそうに牛乳を飲み干しているのを、母はきっと恨めしく見ていたのでしょうね。「育ち盛りで、飲みたい時に牛乳が飲めなかったのは辛かった」と。

いや~。食べ物の恨みは恐ろしいですね!
お墓の前だと、積年の思いを吐き出しやすいのかもしれません。

私:「だったら、その不満をお墓にぶつけたら良いじゃない。あ、でもおばあちゃんは耳が遠かったから、きっと聞こえないふりをするかもしれないね」
母:「そうね~」
そう言って、二人でお墓の前で大笑いしました。

他にも、母が3歳くらいの時に、祖母(母の祖母)におぶわれた状態で階段から転げ落ちたことなど、幼い日の思い出を聞くことができました。

おいしい食事でリラックスした時が、親の希望を聞き出すチャンス

お墓参りの後は約束通り、おいしい懐石料理を頂きました。

普段は食が細くほとんど食べない母ですが、この日の料理が気に入ったのか、あるいはたくさん歩いて空腹だったのか。珍しく完食して、デザートも残さず平らげていました。

満腹で上機嫌な母に、「ママはどんなお墓に入りたいの?」とたずねてみると「ママは機械のお墓がいいわ」と返ってきました。

最近増えている、自動搬送式納骨堂のことですね。屋内のお墓なので、季節や天候を気にせずお参りすることができます。他にも葬式には誰を呼びたいか、延命治療を望むか、などを聞いてみたところ、すんなり答えてくれました。

聞き出した情報は、帰宅するとすぐさま母用のエンディングノートに記しておきました。

エンディングノートは、親が書きたがらない時は無理強いは控えましょう。会話の中で聞き出した情報を、このように子どもが書いておいても良いのです。

 

まとめ

親に終活やエンディングノートのことがなかなか切り出せない、という方は、ぜひ一緒にお墓参りに行かれてみてはいかがでしょうか。

時世柄、特に高齢者にとってはウィルス感染が心配ではありますが、感染予防対策をしっかり行った上で出かけると、親子ともに良い気分転換になりますよ。

もちろん、ご先祖様も喜んでくれて一石二鳥です。

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