私が家を買わない3つの理由

住宅は「購入」または「賃貸」のどちらが良いのか。

相談にお見えになるお客様の疑問の中で、最も多いのがこの悩みです。

間もなくアラフィフ世代に突入する私ですが、
今まで一度も家を購入したことはありませんし、
今後も買う予定はありません。
今回は、なぜ私が家を買わないのかをお話していきますね。

 

1.なんと言っても、住み替えの自由度が高いから

第一の理由は、住み替えの自由度が高いからです。

子どもが生まれて、家族の人数が多い時にはそれなりの部屋数と
広さが必要になりますので、それに応じた家に住みます。

そして、子どもが就職して実家を出たら広い家は不要になるので、
こじんまりした家に引っ越す。そんな流れが理想的です。

つまり、家族の人数に合わせて住まいを変えていくのです。
いつまでも部屋数が多い家に住み続けていると、掃除の手間がかかりますし、
モノも溜まりやすい。
加えて子どもからパラサイトされ続けそうなので、我が子が就職したら
さっさと狭い家に引っ越すつもりです。

言ってみれば、子どもを経済的・精神的に自立させるために、
実家の居心地を悪くする「作戦」というわけです。

その他にも、賃貸住宅にはすぐに引っ越せるメリットがたくさんあります。

  • 近所で騒音やゴミ屋敷などのトラブルが発生した。→相手が話し合いに応じてくれず、騒音問題は未解決のまま。
  • 子どもが学校でいじめに遭った。
  • 配偶者や自分が転勤になり、会社が遠くなってしまって今の家では通勤時間がかかりすぎる。

このような場合に、思い立ったら引っ越しができるのです。
これは、家を購入してしまうと容易なことではありません。
「持たない」ということは柔軟性に富み、自由度が高まるのです。

 

2.親が亡くなった後、子供がラク

次に、賃貸は管理がほぼ不要な点です。
自分のものではないので、不要になった時に売却の手間もありません。
老朽化によるリフォーム代も発生しません。

親が亡くなると、子どもは親の家を引き継ぐか売却するかの選択を
しなくてはなりません。

その時に、もし子どもが遠く離れた場所に住んでいたらどうでしょう。
日本国内ならまだしも、外国に住んでいる可能性もあります。

親の死後、子どもが負う手間が増えることを予測すると、
どうにも家を買う気になれないのです。

子どもは親が想像している以上に、親や故郷のことを思ってくれています。
知らず知らずのうちに家が子どもの足かせになり、外の世界に
目を向ける機会を失わせてしまっているようなことがあるかもしれません。

「自宅は資産になるから、子どもに残してあげることができる」
と言う声も聞こえますが、老朽化した自分の家には相応の価値がある、
と胸を張って言える人はどれくらいいるのでしょうか。

不動産で自宅の価値を正しく見積もってもらったことはありますか?

現在、日本では増え続ける空き家が深刻な社会問題になっています。
売りたくても売れない、タダでも引き取ってもらえない不動産が
全国のあちこちに存在しているのです。

もし財産を子どもに残してあげたいのなら、簡単に売れない
不動産よりも現金がベターです。

 

3.新しいことが好き

そして3つ目の理由は「新しいこと、変化が好き」だからです。
元来飽きっぽい私は、同じ場所に住み続けることが苦手です。

次はあの町に住もうか、と想像するだけで胸が躍ります。

同じ場所に留まり続けると、水はよどみます。
気が付かないうちに、視野や交際範囲が狭くなってしまうことも
あるのではないでしょうか。

もちろん、同じ場所に住み続けること、住み慣れた街を愛する気持ちの
尊さもきちんと理解しています。
変わらないでいることは、心の安定に繋がります。

それでも、常に新しい世界に飛び出すこと。
異なる環境を求めて住まいを変えることは、人生をより豊かに
新鮮で刺激的なものにしてくれます。
そして、その価値観は子どもにも良い影響を与えると考えています。

変化や刺激が乏しい生活が長く続くと、イノベーションは起きづらく、
新しい発想も生まれにくくなるのではないでしょうか。

 

まとめ

住宅に関しては、「購入」または「賃貸」のどちらにも正解はありません。

私の個人的な意見は、「家」というモノに縛られることなく、
いつでも住環境を変えられる賃貸住宅生活を送った方が、
親子ともに自由度が増す上に気がラクなのではないか、
ということです。

先日、年上(60歳)の知人男性がこう話していました。
「この年になってようやく、家が無用の長物だと分かったよ」と。

それぞれの価値観や、家族と子どもの未来まで見据えた時に、
「購入」と「賃貸」、どちらの選択が自分たちにとって最善なのかを
熟考して決めると良いですね。

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